色々な経験をすることが学習として効率的である脳科学的な理由について
「若い頃は色々な経験をしなさい」とよく言いますがそれはなぜでしょう?
一つにはその方が学習効率が高まるからだと考えられます。
脳科学者の中野信子は、知識を定着させるには「エピソード記憶」が大事だと言っており、「エピソード記憶」とは、何のことはない、自分の経験に結びついた記憶のことです。
大学の財務分析の授業では全然財務分析について理解が深まらなかったものの、自分の資金をつかって投資を始める様になったらその会社のことを分析する必要が出てきて財務分析が自然とできるようになった、
とか
モテない人がナンパで成功するために必死で恋愛心理学を勉強して心理学に精通した、
みたいな感じでしょうか。
エピソード記憶をたくさん蓄えるために、様々な経験をすることが大事であると言えそうです。
ただし、本当に頭のいい人や想像力の高い人は、実際に経験しなくても擬似的に物事を「自分ごと」にして、エピソード記憶を蓄積できそうです。
日本文化論である「菊と刀」を書いた人類学者のルース=ベネディクトは、「菊と刀」を書き上げた時までに一度も日本を訪れたことがなかったらしい。 それなのに日本文化について極めて鋭い洞察を書くあたりが天才なんでしょう。
僕は天才じゃないのでまだまだ色々な経験をする必要がありそうです。